[pp.351-356]
中村 和彦,斎藤 馨 (東京大学)
要旨:
森林環境教育は小中学校でも行われているが,森林の現地へ行く機会は限られている。この制約を解消するために,環境認識を空間的および時間的に拡大するとされる映像教材が有効であると考えられる。そこで,森林環境教育の現地学習後に行われる復習授業を事例として,映像教材の空間的拡大および時間的拡大の効用の有効性を検討した。中学校第1学年の生徒に対して映像教材を用いた授業を行い,授業の前後に生徒が記述したテキストを定量的および定性的に分析した。結果,空間的拡大の効用が有効である可能性が示され,時間的拡大の効用は環境教育目標の達成段階の向上という点での有効性が示唆された。
キーワード:
森林環境教育,映像教材,ブナ