[pp.321-326]
山本 清龍 (東京大学)
要旨:
自然公園における利用の集中は公園資源と利用者の自然体験に劣化をもたらす重要な問題の一つである。そこで,本研究では,利用の分散について検討するため,研究対象地として富士山を取り上げ,(1)登山者の属性を把握し,行動と意識の特性を明らかにすること,(2)利用者の行動と心理,公園の管理計画の観点から考察すること,の二点を目的とした。研究の結果,五合目と頂上では登山者の集中の態様が異なること,4 つの登山口は混雑回避を含め異なる観点から登山者に選択されていること,登山者属性によっては時空間的な混雑回避をとりうることが明らかになった。
キーワード:
富士山,登山者,属性,登山口,混雑,回避行動