[pp.249-254]
恒見 清孝 ((独)産業技術総合研究所)
要旨:
本研究では,日本,タイとフィリピンのそれぞれの国内の鉛のマテリアルフローと環境中への鉛排出量を定量的に示した。その結果,日本では廃棄された鉛含有製品の約7割が物質回収されているのに対して,タイとフィリピンでは約9割が物質回収されていることを明らかにした。また,各国で鉛精錬段階,市中ストックからの大気や水域への排出が主要な発生源であるが,特にタイでは不法セクターによる鉛精錬時の排出量が大きく,その地域でのヒト健康リスク評価の必要性があることを明らかにした。
キーワード:
鉛,マテリアルフロー,排出量,ヒト健康リスク