[pp.243-248]
淺木 洋祐 (北海道教育大学)
要旨:
路上放棄車処理協力会は,不法投棄された使用済自動車の撤去・処理を行う地方自治体に対して,自動車メーカーの負担に基づく寄付を行っている。本研究では,地方自治体に対するアンケート調査などから,これまで明らかにされてこなかった路上放棄車処理協力会の寄付の実態を分析した。実態分析を踏まえて,寄付制度を,汚染者負担原則や,ピグー税などの環境政策の観点から,効率性と公平性についてその評価・検討を試みた。その結果,路放協の寄付制度は,公平性と効率性についてより好ましい結果をもたらし,かつ,不法投棄の原状回復をスムースに進めている点で評価できる。
キーワード:
不法投棄,費用負担,使用済自動車,汚染者負担原則