[pp.237-242]
吉田 登,山本 祐吾,盛岡 通 (和歌山大学,関西大学)
要旨:
本研究では,都市下水の処理に伴い安定的に発生する廃棄物系バイオマスである下水汚泥を対象として,下水処理場における下水汚泥由来の再生可能燃料に対する認識や受容性についてアンケート調査をもとに分析を行った。下水処理場の約半数が下水汚泥のエネルギー利用目標への認識,将来的なエネルギー利用を含めた検討意向の見通しを示した。汚泥のエネルギー利用に対する負担受容額は,処理場全体の加重平均で燃料価値の半分程度にあたる約1,100 円/脱水汚泥トンとなった。流域下水道を中心とする大規模な処理場において比較的高い受容性が認識されるなど,異なる認識構造が示された。
キーワード:
下水処理場,下水汚泥,バイオマスエネルギー,意識,パス解析,負担受容額