[pp.225-230]
高橋 卓也 (滋賀県立大学)
要旨:
誘導的環境政策の手法として環境格付け融資を位置づけることができる。実際, 1990 年代よりいくつかの事例が日本においても見られるようになっている。しかし,融資を受ける側となる企業の実態は明らかになっていない。そこで,環境に配慮した金融活動が盛んであると考えられる滋賀県において,融資対象となる可能性のある一般企業を対象としてアンケート調査を行い,一般企業の環境格付け融資に対する見方(態度)を探った。その結果,一般的な認知度,および認知度・同融資利用希望の有無・金融機関への期待度と企業の類型との相関等が明らかになった。環境格付け融資を拡大するためには,特定の環境配慮行動への着目等の必要があることが示唆される。
キーワード:
環境格付け融資,アンケート調査,環境取り組み