[pp.183-188]
孫 穎,渡邉 雅士,藤田 壮 ((独)国立環境研究所,内閣官房情報セキュリティセンター)
要旨:
地球環境問題が深刻化する中,中小企業による環境経営への対策が大きな課題となっている。本研究では,川崎市の中小企業を対象としたアンケート調査の結果に基づき,共分散構造分析を用いて,中小企業における環境配慮型経営の促進要因と実施の因果関係モデルを構築した。その上で,中小企業における環境配慮型経営の推進構造を検討した。その結果,中小企業の環境配慮型経営は,省・再資源に係る国内法規制および各種マネジメント施策の推進や世界的動向などによって促進されてきたことが明らかになった。また,中小企業の環境配慮型経営が,組織体制の変革やステークホルダーとの協力を通して,表面的・限定的対応から本質的かつ能動的なものに転換しつつあることが示唆された。
キーワード:
中小企業,環境配慮型経営,促進要因,アンケート調査,共分散構造分析