[pp.161-166]
佐藤 直樹,ロイ キンシュック (日本大学)
要旨:
木質系資材は堆肥化過程において時間がかかるという問題が指摘されている。これまでに堆肥化装置の利用や大規模な堆肥化により時間の短縮をする研究が行われているが,普及という点で課題が残る。そのため本研究では,木材チップと落ち葉に,発酵鶏糞,米糠,菜種油粕を副資材として加えた原料に,発酵促進剤として木酢液や廃糖蜜を利用することで,小規模で機械を使わない木質系資材の堆肥化時間短縮の有用性を検討した。その結果,堆積物内の温度が堆肥化に必要な温度まで上昇した。また,発酵促進剤を加える事により温度が維持された。廃糖蜜を利用した区は,3ケ月でC/N比測定試験,4ヶ月で幼植物試験において完熟したと判定できた。
キーワード:
堆肥化,発酵促進剤,木材チップ,落ち葉,木酢液,廃糖蜜