[pp.155-160]
太田 絵里 (海洋政策研究財団)
要旨:
本研究は,北東アジア地域における5つの環境協力体制の比較分析を行い,本地域における環境協力体制の包括的な現状を把握したものである。研究方法として,文献調査およびインタビュー調査を行った。その結果,5つの体制は独立して活動を実施しており,運営方法や意思決定方法等も体制ごとに異なり,体制間の連携が取れていない傾向がみられた。また,本地域の環境問題の規模と比較した場合,その解決に向けた域内国の実質的な協調的行動の規範の形成に及ぼす影響が未だ限定的であることが示された。さらに,異なる国が協力体制ごとに主導権を取り,参加国ごとに体制への貢献度が異なることが明らかとなった。
キーワード:
北東アジア,環境問題,協力体制,主導権,連携