[pp.131-136]
吉田 晃子,畔柳 昭雄 (日本大学)
要旨:
生活環境の快適性向上を図るため,水環境の価値の再認識や日常生活に密着した水利施設を維持するための取り組みが各地で実施されている。こうした水利施設を有する地域では水利用を通じて地域住民間に深い係わりが見られる。そこで本研究では,伝統的水利施設「マンボ」に着目し,水利用形態,水空間の特性及び水を介した住民生活を把握することで持続的な水環境形成に対する示唆を得ようと考えた。その結果,「マンボ」は規範意識の醸成,日常の住民同士の係わりを促す媒体として寄与しつつ,地域資源としても多面的に活用されていることを捉えた。
キーワード:
伝統的水利施設,マンボ,水利用形態,水機能,コミュニティ