[pp.93-98]
相澤 章仁,田代 順孝 (千葉大学)
要旨:
本研究では管理計画の策定およびその実施から植生のモニタリングまでをひとつの市民団体が一体的に行っている根木内歴史公園を事例としてとりあげ,その管理システムを構築するまでの経緯を明らかにした。行政主導で市民参加型管理が導入された初期段階では,草刈りに関する意見の対立や,植生管理の手法についての疑問が原因となってメンバー間の意思疎通に障害がきたされていた。月に一度の定例会議を導入することでメンバーの意見交換は活発となり,さらにそこに植生モニタリングを加えることで植生の状況を随時メンバーに報告することのできるシステムが構築された。今後はより客観的なシステムを構築し,科学的側面から管理システムを強化していくことが必要である。
キーワード:
順応的管理,市民参加,近隣公園,植生管理,湿地