[pp.25-30]
堀川 真弘,津山 幾太郎,大藪 崇司,守村 敦郎,森本 幸裕 ((独)森林総合研究所,トヨタ自動車(株),兵庫県立大学,人間環境大学,京都大学)
要旨:
アラル海の縮小によるシルダリア下流域の湿地帯の衰退に対し,南北に分断されたアラル海の北側の湖の水位安定化にむけたダム建設が行われている。本研究では,現地調査と1999年から2006年の6シーンの衛星画像を用いて,湿地帯の変動とダム建設後の評価を行った。その結果1999年から2004年にかけて,面積・周囲長・平均NDVI・積算NDVI・隣接水域全ての指標が減少する傾向が見られたが,ダム建設後の2006年には,全指標が増加し,特に平均NDVIと隣接水域の増加が顕著であった。ダム建設による水位上昇により湿地生態系の修復が行われ,本地域の生物多様性の回復に貢献すると推定される。
キーワード:
湿地,アラル海,衛星リモートセンシング,教師付分類,NDVI,Kappa係数