[pp.499-504]
百村 帝彦 ((財)地球環境戦略研究機関,東京大学)
要旨:
温暖化の議論においてREDD が注目され,パイロットプロジェクトが試行されている。本研究では,コミュニティ林業(CF)を基盤としたカンボジアのREDD パイロットプロジェクトにおけるコ・ベネフィット達成の実効性を検討することを目的とする。調査はプロジェクトの実施体制と対象地の現状把握をおこなった。その結果,森林局がCF 制度に対して支援をおこなっており,またプロジェクトはCCB 基準の審査を受けるなど,住民の生計確保の実効性は高い。一方,CF の住民組織が弱いが,森林局や援助機関などの支援により,住民主体のCF 管理となる可能性はある。外部アクターからの森林管理の阻害についても,CF 体制への森林局の支援によって防ぐことが出来る可能性がある。
キーワード:
REDD,カンボジア,コミュニティ林業,パイロットプロジェクト,コ・ベネフィット