[pp.487-492]
片野 洋平,松本 安生 (鳥取大学)
要旨:
東京都23区の廃棄物・資源行政では, これまでコミュニティなどの社会的特性を基礎とした地域性概念を十分に生かしてこなかった。本稿は住民の向環境行動を規定する社会関係資本概念に着目し,同概念から地域性概念を捉えることにより,地域性に応じた廃棄物・資源政策の促進が可能となると考える。文京区を対象とした社会調査のデータを分析した結果,社会関係資本は住民の向環境行動と関係があることが分かった。また,向環境行動を促進する社会関係資本は,結束型社会関係資本型と橋渡型社会関係資本型とに分類されることが分かった。本研究の成果は,23区の資源政策において社会関係資本の知見を生かす可能性を示唆するものである。
キーワード:
向環境行動,社会関係資本,結束型社会関係資本,橋渡型社会関係資本