[pp.447-452]
皮 玲,中根 周歩 (広島大学)
要旨:
屋上緑化土壌への竹炭埋設が土壌温度および土壌湿度に及ぼす効果を検討するため,広島大学の建物屋上に竹炭0,5,10,20kg をそれぞれ埋設した実験ボックスを設置し,それらの土壌温度と土壌湿度を植栽植物の生育期間(5 月~10 月)を通して,連続測定した。その結果,土壌温度は竹炭の埋設量に相応して日中の温度上昇は抑制され,特にそれは夏季の無降雨期に顕著であった。一方,土壌湿度は降雨時やその直後では竹炭の有無,多少による差異は認められなかった。しかし,1 週間ほど降雨がない場合,竹炭0kg では土壌湿度の低下が著しいが,竹炭埋設量が増大するにつれて土壌湿度の低下が緩和され,竹炭20kg では夏季でも常時,最大容水量の40%以上を維持した。
キーワード:
屋上緑化,竹炭,土壌,温度,湿度