[pp.431-434]
石川 潤,糸長 浩司,松本 洋俊 (日本工学院専門学校,日本大学,アミタ(株))
要旨:
有機物残渣バイオガス生成過程で生じるメタン発酵消化液を,植物と濾材を使用した汚水浄化システム『リビングマシン』による浄化実験を行い,メタン発酵消化液の有効活用の可能性を考察した。クワズイモ槽でT-N濃度436.5mg/Lから150.7mg/Lへと減少し,窒素除去速度14.3g/m2/day,花カンナ槽でT-N濃度347.9mg/Lから141.1mg/Lへと減少し,窒素除去速度10.3mg/m2/dayと各植栽槽で初期濃度を高くすることで栄養塩類除去性能が向上する結果となった。高濃度の消化液であったが,クワズイモ,花カンナともに植物の状態は良好であった。有機物残渣によるバイオガス生産とその消化液による水耕栽培でのバイオマス生産システムの可能性が示唆された。
キーワード:
リビングマシン,植物浄化,メタン発酵消化液,窒素浄化,高濃度汚水浄化