[pp.367-372]
大木 高公,大木 宜章,木科 大介,源 佳子,青木 忠尚 (日本大学,旭コンクリート工業(株))
要旨:
緑化景観評価には緑視率が用いられるが,より現実に即した評価が行えるよう視野角度別緑視率による評価方法を提案し,この方法により緑化景観評価の予測を行なうことを目的とする。この目的を達成するため,視線追従試験やアンケート調査を行い,視野角度別緑視率との相関性を調べた。視線追従試験から被験者の静止画に対する注視点は,水平および垂直方向とも中央にて頻度が高い。また,アンケート調査の結果,視野角度別緑視率と「環境」および「緑の量」について,視野角度0°~5°,10°~20°での重相関係数は有意水準5%を上回った。したがって,提案する0°~5°,10°~20°での視野角度別緑視率による方法は人間の感覚の数値化を図れるため,緑化景観評価の予測には有効な手法であると言え,当初の目的が達成された。
キーワード:
視野角度別緑視率,緑化景観,緑視率,アンケート調査,視線追従試験,緑化景観評価