[pp.315-320]
村上 一真 (三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株))
要旨:
社会心理学を中心とした環境配慮行動の規定要因に係る研究成果を踏まえ,市民を対象にアンケートを行い,地域への愛着やコミュニティ意識等の情緒的要因が,森林ボランティア活動参加の規定要因となるかを構造方程式モデルにより分析した。そして,この情緒的要因が人間の合理的判断に基づく環境配慮行動の意思決定プロセスに影響を与えることを実証した。地域への愛着やコミュニティ意識の醸成,およびコミュニティ活動の活性化に向けた取組みは,森林ボランティア活動に関する知識・技能や周囲の期待を向上させるという効果からも,その必要性が指摘できる。
キーワード:
環境配慮行動,規定要因,森林ボランティア,愛着,構造方程式モデル