[pp.285-290]
笠井 勝也,西前 出,小林 愼太郎 ((財)日本品質保証機構,京都大学)
要旨:
富士山の山小屋が補助金を受けて設置した自己処理型トイレの維持管理コスト確保が困難な状況に陥っている。本研究では,総合パフォーマンス評価による自己処理型トイレの評価,PSM 分析を用いた適正トイレ使用料金の推定,CVM による入山料に対するWTP の推定を通じ,設置場所の環境に適した屎尿処理装置が導入されているか,協力金の設定金額は妥当であるか,入山料徴収制度の実現可能性について検討した。その結果,総合パフォーマンス評価を用いた屎尿処理装置の選定および入山料徴収制度の導入が,富士山における山小屋トイレ維持管理費確保問題の解決に寄与しうることが確認された。
キーワード:
富士山,自己処理型トイレ,維持管理費,仮想的市場評価法,価格感度測定法