[pp.269-274]
福島 慎太郎,吉川 郷主,市田 行信,西前 出,小林 愼太郎 (京都大学,三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株))
要旨:
近年,ソーシャル・キャピタルの要素や性質の違いに応じて,ソーシャル・キャピタルと住民の健康との関連性を考察する必要性が指摘されている。本研究では,京都府内の3 市を対象としたアンケート調査により収集された9,293 サンプルを用いて,地域外に住む人々に対する一般的信頼と地域内住民に対する信頼という2 種類の信頼と主観的健康感との関連を測定した。分析の結果,主観的健康感との関連が大きいのは,後者の地域内住民に対する信頼であることを個人レベルで明らかにした。健康の維持・向上を期して,地域内住民との緊密な信頼関係が損なわれないように配慮した地域づくりを行っていく必要がある。
キーワード:
ソーシャル・キャピタル,主観的健康感,一般的信頼,地域内住民に対する信頼