[pp.209-214]
小城 崇,山本 祐吾,東海 明宏 (大阪大学)
要旨:
本論文では,価格や性能,安全性などの既存の製品情報に加えて,カーボンフットプリント(以下,CFP とする)情報を製品に付与した場合における消費者行動の変化を選択型コンジョイント分析を用いて明らかにした。その結果,1)複数の環境指標がトレードオフの関係にあるような環境負荷特性を持つ製品では,消費者が環境情報を処理できなくなり,CFP 情報の効果は低くなること,2)製品の安全性と CFP の間にトレードオフの関係が生じている製品では,消費者は安全性の方を重視するため CF 情報が効果を発揮しにくいこと,が定量的に明らかになった。
キーワード:
カーボンフットプリント,消費者行動,コンジョイント分析,トレーサビリティ,支払意思額,トレードオフ