[pp.203-208]
黒田 圭介,黒木 貴一 (西南学院大学,福岡教育大学)
要旨:
カルスト台地平尾台で昆虫の個体数調査と,地質,地形,気温,土壌,植物調査を行い,昆虫分布の特徴を条件付ける要因を検討した。その結果,1)地質の違いが異なる地形を形成し,気温,土壌,植物の関連性は各地形の特性を反映している。夏季の昆虫はこの関連性の影響を受けて分布個体数を増減させる,2)年間を通して見た場合,昆虫は特に気温に応じて個体数を増減させ,夏にはより涼しい,秋季にはより暖かい場所を求める,3)気温に影響を与える主因は地形である。地形ごとの平均個体数は,平坦地:ドリーネ斜面:谷:ドリーネ底=1:1.25:1.41:1.41で,地形毎に昆虫個体数の予測が可能である,の以上3点を明らかにした。
キーワード:
カルスト台地,移動気温観測,昆虫分布,ドリーネ,平尾台