[pp.173-178]
ホルツヒューター カイル,糸長 浩司 (日本大学)
要旨:
日本大学生物環境科学研究センターでの試験建築のアトムハウスは,日本での最初の研究用ストローベイル建築である。2002年に着工し,2006年に完成した。2002年12月から室内・壁内・外気の温湿度を継続的に測定している。本研究は,アトムハウスの(1)断熱性能,(2)壁内温湿度及びカビの発生可能性を評価することを目的とした。結果,壁内と室内の温度は,外気に比べて安定しており,通年でのストローベイル壁の断熱効果を指摘できた。また,等値線モデルを利用した壁内温湿度評価では壁内にカビの発生が予想され,アトムハウスの壁内にもカビの存在が確認され,ストローベイル壁内の湿度を抑える必要性が指摘できた。
キーワード:
ストローベイル建築,温湿度分析,断熱性能,湿損,カビ