[pp.61-66]
平井 友子,小松 悟,金子 慎治 (広島市役所,広島大学)
要旨:
本研究では,竹林整備を通して里山を保全する便益を,仮想評価法(CVM:Contingent Valuation Method)を用いて推計した。近年,里山において,管理・経営が放棄された竹林が増えた結果,景観の変化,生物多様性の低下,水源涵養機能・土砂災害防止機能の低下といった影響が生じている。本研究では,広島県東広島市の鏡山を事例として,里山保全を目的とした竹林整備を実施することの住民の支払意志額(WTP)を推計した。推計の結果,評価対象地周辺に居住する住民の支払意志額は1世帯当たり2,431円,地域内の総支払意志額は約737万円であると示した。
キーワード:
竹林,支払意志額(WTP),里山,仮想評価法,便益評価