[pp.55-60]
小菅 貴史,親泊 素子,古谷 勝則 (千葉大学,江戸川大学)
要旨:
ブータンの観光における公定料金制度の特徴と仕組みについて検討した。調査は,2008 年9 月7 日~13 日までの現地調査とインタビュー調査,文献調査を行った。ブータン観光と歴史から,公定料金は大きく4 つの時期に分けることができる。4 つとは,1)公定料金の導入時期,2)国営主導の時期,3)民営主体の時期,4)外資系の参入による時期である。これら観光の4 つの時期の中で,公定料金の価格は変化を繰り返したことを明らかにした。また,公定料金はブータン外貨収入の貴重な歳入源である。外資系ホテルが参入したことで2007 年の観光客の人数が2万人を超えた。観光客が増大しても,今後も環境保全に配慮した公定料金が維持できると考察した。
キーワード:
ブータン,公定料金,観光,外資参入,環境保全,国民総幸福量