[pp.49-54]
大瀧 友里奈,松尾 友矩 (東京大学,東洋大学)
要旨:
OECD諸国の時系列データを用い,どの程度そしてどのように低エネルギー消費社会,低炭素社会に向けて取組んできたのか,比較解析した。エネルギー効率やエネルギー消費当たりCO2排出量などを指標とし,それらの10年毎の値をクラスタ分析によりグルーピングすることにより,40年間での変化を抽出した。その結果,低炭素エネルギー化が進展している国,エネルギー効率改善が進んでいる国,炭素エネルギー依存傾向が進展している国,低炭素エネルギーの状態を維持している国,高消費高排出の国,などに分類することができた。その分類毎に分析した結果,地場エネルギーの利用,原子力や再生可能エネルギーへのシフト,天然ガス使用の拡大等が変化の要因となっていることが分かった。
キーワード:
エネルギー効率,CO2排出量,低炭素化社会