[pp.553-558]
薗部 礼,谷 宏,王 秀峰 (北海道大学)
要旨:
土壌水分は土層の上部における浸食や収量に影響を及ぼし得るため,農業分野において重要な指標となる。本研究では陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)に搭載されているPALSARによって得られたデータを用いて,裸地における土壌水分の推定を試みた。裸地において,PALSARによって取得される後方散乱係数は土壌水分以外に表面粗度の影響も受ける。PALSAR多偏波モードのデータを用いると,表面粗度と高い相関関係があるクロス偏波データの比を算出することができる。そこで,クロス偏波データの比を表面粗度の指標として用い,表面粗度の影響を考慮した。本研究で作成されたモデルを用いると,土壌水分の指標の1つである体積含水率をRMSE=3.0%の精度で推定することができた。
キーワード:
後方散乱係数,クロス偏波データの比,PALSAR,土壌水分