[pp.523-528]
ロイ キンシュック,河野 英一,島田 正文 (日本大学)
要旨:
土地の利用状況や利用歴が土壌の受食性に大きく影響する。本研究は農地土壌の構造と侵食量との関係を調べることを目的としており,耕起(通常の耕作が行われている圃場),不耕起(約6ヵ月休耕期間を設けている圃場),無耕起(約10年間耕作が行われていない圃場)の状態に置かれた3種類の隣接した圃場内の土壌の団粒分布,有機物含有量,三相分布などの違いから土壌構造を分析し,それぞれの状況における侵食量との関係を調べた。その結果,土壌浸食量が最も少なく受食性の低い土壌は不耕起土壌となり,耕起の状態よりも不耕起状態の方が農地保全の立場から効果的であることを実験的に証明できた。
キーワード:
土壌の受食性,土壌構造,水食,表面流出量,農地土壌