[pp.511-516]
水野 多香子,石川 重雄,長坂 貞郎,河野 英一,齋藤 公三 (日本大学)
要旨:
富栄養化の原因となる窒素とリンの除去を目的とした浄化方法が考案,実用化されている。しかし,人工的浄化資材は製造コスト,使用後の再利用コスト,さらに廃棄処理による環境への負荷が懸念される。本研究では,既往の研究で稲藁の硝酸態窒素の除去効果が明らかにされていることを踏まえ,使用後の自然への負荷が小さく,還元可能な稲藁との組合せ及び稲藁溶出液への浸漬等による浄化資材(木炭,軽石,ゼオライト)の機能向上の実験を試みた。その結果,各資材は稲藁との組み合わせ,浸漬処理によりNO3-NとNH4-Nの除去機能が付与され,T-Nの除去率が木炭で67%→92%,軽石で-6%→51%,ゼオライトで41%→94%にそれぞれ向上した。
キーワード:
窒素除去,木炭,軽石,ゼオライト,稲藁