[pp.505-510]
高橋 岩仁,大木 宜章,高橋 里佳,大松澤 季宏 (日本大学,ジェコス(株))
要旨:
本研究は,下水汚泥を電解処理により性状改質を図り,下水臭気の脱臭材として有効利用することを目的としている。そこで,下水汚泥コンポスト工場において,現場実証試験を行い,実用化の検討を図った。実験は,試料を低濃度臭気で馴致した後,高濃度な原臭気に移行して行った。その結果,低濃度の臭気で馴致することで,原臭気に移行した後も,高い脱臭効果を示した。その後,原臭気が高濃度なため,菌体の至適環境が崩壊し,脱臭限界となったが,定期的に新しく馴致した試料へ交換すれば継続的な脱臭が可能であり,またコスト面でも問題なく,さらに汚泥利用の道も拡がることから,本脱臭法は大いに実用可能であるといえる。
キーワード:
下水汚泥,電解処理,臭気,脱臭材,菌体