[pp.493-498]
木塚 俊和,山田 浩之,平野 高司 (北海道大学)
要旨:
周囲の農地開発が著しい石狩泥炭地の宮島沼を対象に,水収支と水質の現状を調べた。その結果,営農に伴う水門操作によって,灌漑期終わりから非灌漑期初めにかけて湖水位が大きく低下していた。水収支解析の結果,水路流入と水路流出が湖沼水収支の大部分を占めていた。湖水の溶存態窒素濃度,溶存態リン濃度,および電気伝導度は水路流入水の水質と類似しており,水路流入水の水質が湖沼水質に影響していると考えられた。これらのことから,宮島沼の水文化学環境は,営農に伴う水管理の影響を強く受けていると考えられた。
キーワード:
営農,富栄養化,灌漑用水,水収支,水質