[pp.487-492]
村上 和仁,石井 俊夫,瀧 和夫,松島 眸 (千葉工業大学,日本大学)
要旨:
野外設置型モデルエコシステムを用いてN・PからCODへの変換率から底泥処理による湖沼内部生産の抑制効果について実験的に検討した。その結果,1) 変換率(αN・αP)の推移から,季節変化のみならず培養の継続期間により植物プランクトン増殖(内部生産)の制限要因は変化すること,2) CODとChl.aの相関から,DAF+MgO散布系は内部生産が進行しており, DAF+CaO散布系は内部生産の抑制に最も効果的な処理系と考えられること,3) 全ての底泥処理系において,実際の手賀沼の変換率の推移とは異なることから,生態系へ何らかの影響を及ぼす可能性があることが示された。
キーワード:
内部生産,底泥処理,富栄養化湖沼,αN,αP,モデルエコシステム