[pp.463-468]
西野 俊一郎,劉 国彬,劉 普靈,恒川 篤史,伊藤 健彦,穆 浩生 (鳥取大学,中国科学院)
要旨:
退耕還林政策下において求められる経済状態への移行程度を評価するために,村落レベルの人口許容力と,生物資源生産量(供給)が生活必要量(需要)を満たすことを評価する収容度指数を推定した。その結果,退耕還林政策実施前の1998年から実施後の2004年の間において,耕地面積は半減した。しかし換金作物,果樹栽培,出稼ぎなどの非農業収入および補助金により,総収入は約2.8倍になった。2004年の収容度指数は0.233~0.696と推定されたため,生物生産量は人々の需要を満たす水準にあると判断された。しかし補助金が占める割合が総収入の3割を超える村では,補助金を含めない収容度指数が1を超えたため,需要が満たせない可能性が示唆された。
キーワード:
人口許容力,土地利用,補助金,休耕計画,需要供給