[pp.451-456]
曽我 健,錦澤 滋雄 (滋賀県立大学)
要旨:
本研究は,まちづくりワークショップにおけるファシリテーターの介入に着目し,実証的な分析を行い,その必要性や有効性について考察することを目的とした。まず,ファシリテーターの介入をいくつかのタイプに分類・集計し,次にその適否について専門家チェックを踏まえて考察した。その結果,「話し合いを方向づける」,「議論を要約する」といったタイプの介入が多かったのに対して,「発言を支援する」などの協働の場づくりに関係する介入は少ないことが確認された。また,介入の適否を認知的過程と意志的過程の観点から考察したところ,認知的過程では,「ファシリテーターの主張を混ぜる」介入,意志的過程では,「決定を後押しする」介入が重要な役割を果たすことが示唆された。
キーワード:
ファシリテーター,ワークショップ,介入,大阪市