[pp.381-386]
小林 昭裕 (専修大学)
要旨:
過剰整備に対する批判を踏まえ,荒廃箇所の整備上の課題について,大雪山国立公園の登山道整備水準の策定過程に着眼し,登山道整備の理念,計画策定上考慮すべき要素,施工技術上の課題を明らかにした。論議の手順として,検討会の構成,過剰整備という批判の原因への対処,荒廃の原因と対策,登山道の管理水準の設定,路線区分と技術的対応の観点について,合理的妥当性を検討し,荒廃箇所の整備上の課題を総括した。その結果,手順の論理的脈絡の明確化,利用体験の視点の導入,科学的データに基づく判断という点で,策定の道筋を示したことは評価された。
キーワード:
登山道,整備策定,整備技術,浸食,植生被害