[pp.357-362]
小野田 勝美 (京都大学)
要旨:
遵守理論の「管理モデル」の分析枠組みを用いて,衛星地球観測システムによる衛星観測の条約履行確保制度における役割を抽出することができる。衛星地球観測は,気候変動枠組条約上の組織的観測の重要な要素であり,政府間の国際協力によって進められている。政策枠組みに衛星地球観測データ利用を組み込むツールとして地球観測システム(GEOSS)が構築されつつある。遵守監視にも衛星データが用いられる可能性が検討されているが,現時点ではほとんど利用されておらず,今後,条約に基づく制度設計に対応した衛星地球観測システム構築のための研究を進める必要がある。
キーワード:
気候変動枠組条約,京都議定書,衛星地球観測,リモートセンシング,監視,遵守