[pp.327-332]
坪井 塑太郎,萩原 清子 (明治大学,佛教大学)
要旨:
本研究の目的は,従来まで主として定量データによる解釈を補完するものとして位置付けられてきた自由回答を,日本語の形態素により分類することにより,意見の構造を明らかにすることである。既往の自由回答分析においては,分析者の熟練度や,主観によるバイアス等が指摘されてきたが,本研究ではテキストマイニングにより,文法を考慮した用語の出現頻度と共起関係に基づき分析を行い,自由回答の意見構造は地域的事象による「中心地-山間地」軸と,河川景観事象による「美観-醜観」軸の成す空間から構成されることを示した。また,鴨川に対する具体的改善点として上流では産業廃棄物処理場の処遇が,下流市域では水害対策の強化が高く指摘されていることを明示した。
キーワード:
形態素分析,自由回答,テキストマイニング,鴨川,京都