[pp.303-308]
山下 良平,星野 敏 (京都大学)
要旨:
農地・水・環境保全向上対策では,地域ぐるみの資源保全活動に関して,実行計画の策定とその継続を担保に運営資金を助成する仕組みをとる。農山村地域においては,施策の効率的な運用に向けて,住民の参加意欲を向上させることが喫緊の課題となっている。本研究では,適応型合意形成モデルを応用し,多数の主体による合意形成過程を解析するためのモデルを構築した。そして,態度変容の規定要因として,ソーシャル・キャピタルの影響を考察することを課題とした。その結果,ソーシャル・キャピタルの構成要素である社会規範は,特に活動への参加意向の形成に対する影響が大きいことが示された。
キーワード:
農地・水・環境保全向上対策,適応型合意形成モデル,ソーシャル・キャピタル,資源保全