[pp.281-286]
水越 厚史,山本 尚理,飯塚 淳,篠原 直秀,藤井 実,山崎 章弘,柳澤 幸雄 (東京大学,東海大学,(独)産業技術総合研究所,(独)国立環境研究所,成蹊大学)
要旨:
被験者14名に1日間,環境(通学,職場,自宅)ごとにサンプラを交換してもらい,環境ごとの個人曝露濃度を測定した。11物質のうちベンゼン,p-ジクロロベンゼン,トルエンは基準値や指針値と比して高濃度であった。PRTRデータから通学時のベンゼンの主な曝露は交通量の多い幹線道路が,p-ジクロロベンゼンを高濃度で曝露していた被験者は自宅での防虫剤等の使用が考えられた。一方,発生源が遍在しているトルエンについても曝露量の高い環境を特定することができた。また,特異曝露率を求め,汚染された環境を回避または改善した場合の削減効果を見積もった。これらの情報により効率的に曝露を削減できると考えられた。
キーワード:
個人曝露,揮発性有機化合物(VOCs),特異曝露率