[pp.251-256]
吉野 敏行,松橋 隆治,吉田 好邦 (人間環境大学,東京大学)
要旨:
近年,日本の使用済み家電製品が大量にアジア諸国に輸出されるようになり,日本の循環型社会形成に負の影響を及ぼすとともに,アジア諸国に深刻な環境汚染を引き起こしている。本稿はこの問題の解決策として拡大輸出者責任制度を提案している。この制度はアジアへ輸出される使用済み家電製品に廃製品輸出負担金を課し,それをアジア諸国に還元する仕組みである。この制度が外部費用を内部化し,国内循環と国際循環の社会的費用の適正な配分と経済的厚生の最大化を実現できることを数理的に検証した。
キーワード:
使用済み家電製品,アジア輸出,拡大輸出者責任,家電リサイクル法