[pp.221-226]
吉岡 剛,松橋 隆治,吉田 好邦 (東京大学)
要旨:
近年,欧米では老朽化した中小規模風車を大型化へ更新(リパワリング)することが活発に行われており,日本においても更新需要は高いものと考えられる。一方,風力発電事業は自然リスクや制度リスクなどの不確実性を抱えた事業である。このような不確実性下にある風力発電事業の事業評価を行うに際し,本研究では,投資の柔軟性を考慮できるリアルオプションを取り上げ,検討を行った。評価対象としては,中山峠風力発電施設を取り上げ,設備更新に関わる事業の継続,撤退,拡大の意思決定をどのタイミングで行うかを,二項モデルによるリアルオプション手法を用いて評価した。
キーワード:
戦略決定,リスク,風力発電,リアルオプション