[pp.181-184]
土金 慧子,大澤 啓志 (慶應義塾大学,日本大学)
要旨:
都市域における身近な小動物としてトカゲ類(ニホントカゲ,ニホンカナヘビ)を指標に,点在する小規模な都市緑地での生息状況の調査と生息地としての評価を行った。調査は神奈川県藤沢市を事例に13地点の緑地で2007年の5月~10月にかけて計10回,目撃確認法により行った。その結果,延べ78個体が確認された。また,各調査地面積より個体数密度を算出したところ,一戸建て住宅の庭において非常に高い値が得られた。さらに,確認個体数密度の規定要因の解析により,ニホントカゲでは周辺の緑地割合と地表付近の多孔質構造の面積率に有意性が示され,本種の生活様式が関与していると考えられた。
キーワード:
ニホントカゲ,ニホンカナヘビ,都市緑地,季節変動,多孔質空間