[pp.103-108]
杜 軍,白川 博章,韓 驥,井村 秀文 (名古屋大学)
要旨:
本研究では,1992年,1997年及び2002年の産業連関表(95分類)を用いて,中国の家庭で直接・間接的に消費されるエネルギーとそのCO2排出量を推計した。分析の結果,当該期間の家庭部門における間接的エネルギー消費量はその全消費量の約55%以上を占め,CO2排出量では58%にのぼることが明らかになった。また,2002年において都市部では1人当たりエネルギー消費量は24GJ,1人当たりCO2排出量は2.4tであるが,農村においてはそれぞれ19.7GJ,1.8tであった。家庭部門におけるCO2排出強度は減少しているものの,CO2の総排出量は緩やかな増加傾向にある。これはエネルギー効率の改善によるエネルギー消費量の減少よりも世帯数の増加や支出構造の変化といったエネルギー消費の増大が上回っているためだと考えられる。
キーワード:
家庭,エネルギー消費,CO2排出量,ライフスタイル,産業連関分析