[pp.67-72]
栗島 英明,楊 翠芬,田畑 智博,玄地 裕 (芝浦工業大学,(独)産業技術総合研究所)
要旨:
一般廃棄物の最終処分場の残余不足は大きな問題であり,処分場の延命化のために排出抑制と資源リサイクルがおこなわれている。一方,こうした施策は,地方自治体に財政的な負担を強いており,その負担が果たして適切であるのかを費用便益の視点から検討する必要がある。本研究では,千葉県千葉市の住民を対象に表明選好法を用いて,処分場延命化による便益を,新規立地の社会コストとその先延ばし,という視点から評価することを試みた。その結果,新規立地による社会コストは,14,000円/世帯と見積もられた。また,処分場が延命化され,新規立地が先延ばしされることの効用関数は,13年後が極大となる二次関数と推定された。
キーワード:
最終処分場,延命化,社会コスト,表明選好法,CVM,コンジョイント分析