[pp.55-60]
山村 隆徳,山村 弘美 (セィダナータウンジー事務所,農村で起業を支援する会)
要旨:
開発途上国の村落住民が実施する発電事業について,これまで運営・経営面での研究がなされていないという問題意識のもと,ミャンマー国南シャン州における住民参加型小規模水力発電事業を事例とし,現地村落住民による電気料金の価格決定について考察する。価格は電気料金が全世帯一律であるという現状を考えれば,市場規模の最大化が余剰の最大化よりも重要な目的として決定されていると言える。しかし,継続的に事業を実施するためには,公益性を阻害せずに収益性を向上させる仕組みを確立させることが不可欠である。
キーワード:
小規模水力発電,価格設定,農村開発,ミャンマー