[pp.37-42]
ヤバ-ル ヘルムート,原 圭史郎,張 海燕 (大阪大学)
要旨:
技術イノベーション(技術革新)は,社会のサステイナビリティ実現において重要な役割を持つ。技術「ロックイン」は,技術革新を促進,普及する上での障壁の一つとなっており,この障壁を克服し,技術革新を進めるための政策デザインが重要となる。本論文では,ダイオキシン問題および廃棄物リサイクリングを具体ケースとして取り上げ,日本の環境政策が技術革新に与えた影響,効果について考察を行う。その中で,技術プッシュ・需要プルの関係性における政策の重要性を論じ,環境政策がダイオキシン問題の克服や,廃棄物リサイクリングの代替技術の普及へとつながったことを示す。最後に,生産と消費パターンの改善に向けた政策の必要性を述べる
キーワード:
技術イノベーション,環境政策,ロックイン,技術政策