[pp.607-612]
岡 絵理子,江川 直樹 (関西大学)
要旨:
カンボジアのトンレサップ湖の浸水域集落の住居は,木材ややし,竹など自然材を用いた木造であったが,近年,屋根や壁にトタンなどの工業材を用いた住居もみられるようになった。2006 年にはコンクリート造の住居も1 軒,建設された。このような住居建材の変化が,住居構成と暮らし方にどのような変化をもたらしているのかを明らかにするため調査を行った。その結果,住居の材料は住居面積や生活水準と関係があり,工業材による住居は,閉鎖的,固定的になっていることが明らかになった。
キーワード:
トンレサップ湖,浸水域,建材,生活水準,暮らし方