[pp.601-606]
穴澤 活郎,篠村 善徳,冨安 卓滋 (鹿児島大学,東京大学)
要旨:
旧銅鉱山から流出する酸性坑廃水中の溶存態重金属類の挙動を調査した。鉱山下流域における河川水中の溶存態重金属類はバックグラウンドレベルの低濃度であったが,河川底質からは高濃度の重金属が検出され,流路に沿った重金属の移動が観測された。また坑廃水に含有する重金属は,高pH の河川水との混合により中和沈殿し,河川底質に蓄積されていることが定量的に実証された。本機構を応用した簡易重金属除去槽を坑廃水流路に設置した場合,各重金属の77-100%を除去できると試算された。
キーワード:
鉱業,水質,重金属,銅,亜鉛,マンガン