[pp.585-590]
池貝 隆宏 (神奈川県環境科学センター)
要旨:
農薬に関する水道水質管理を的確に行うには,流域における農薬の流出状況を判定できる基礎情報が不可欠である。本稿では,流域別の流出農薬のプライオリティを判別するため,農薬の流出をモデル化し,レベルⅡフガシティモデルを用いて流出可能性を表す時期別の指標値を算出する手法を検討した。この方法を用いて,神奈川県の相模川及び酒匂川の農薬流出状況を評価した。その結果,流域別流出量は農薬流出可能性を表す指標として利用可能であり,ADI あたりの流域別流出量であるRRI 値を用いて流出農薬のプライオリティが詳細に判定できることを示した。
キーワード:
農薬流出,フガシティモデル,流出量推定,流域