[pp.543-548]
大西 暁生,森杉 雅史,石 峰,韓 驥,白川 博章,井村 秀文 (総合地球環境学研究所,名古屋大学,名城大学)
要旨:
国内有数の穀倉地帯である黄河流域では,中国の人口増加に伴う食糧需要の高まりから,食糧の増産が期待されている。黄河流域の食糧生産は,主に単収(単位面積当たりの生産量)の向上によって支えられてきた。しかし,近年の断流現象に見られるような水不足問題が,食糧生産にとって克服すべき大きな課題として挙げられている。そのため,水資源の有効且つ適正な利用による農業の促進が望まれる。本研究では,包絡分析法(DEA)を用い,黄河流域の地域別農業用水効率性の評価を行った。さらに,得られた効率性の違いがどのような要因によって決定されるのか分析した。以上の結果より,黄河流域の持続可能な食糧生産のあり方を検討した。
キーワード:
包絡分析法,黄河流域,食糧生産,農業用水効率性